*前頭連合野

私たちの脳には人間性知能を担うフレームがあります。チンパンジーと私たち人類を決定的に分けている脳領域とは何でしょうか?

AS_51752448500万年前アフリカ大陸の乾燥化(サバンナ)で起こったチンパンジー類の森林生活からの脱出。ここで注目すべきは、数千万年続いた森林生活からサバンナに飛び出したチンパンジー類が持っていたのが未知なるものへの好奇心だったということです。これが人類の誕生のきっかけであり、ヒトの脳を進化させたとも言われています。

この人類特有の脳領域を前頭連合野といいます。この前頭連合野は大脳の前方にある領域で占める割合は、人間30%、チンパンジー17%、サル11.5%、イヌ6%、ネコ3.5%と人間が一番発達しています。
前頭連合野の役割は「未来志向的行動力」「社会関係力」と関係しています。つまり、人格や理性の要であり、人間性を作る上で最も重要なものであると言えるでしょう。

AS_86006496そんな大事な役割を担う前頭連合野ですが何もしなければ衰えてしまいます。他の能力と同様、努力しなければ発達しません。子どもにとって「目標に向かって努力を始める」ことは自発的に行動することの第一歩と言えます。あえて教育をしなくても赤ちゃんは自発的に知性を伸ばそうとします。特別な教育をしなくても、子どもは日本語を理解し話すようになるというのが良い例です。

だからと言って、ただ自発性に任せればよいわけではありません。それには適切な環境というものが重要になってきます。幼いころからの環境や教育の不適切で前頭連合野が未熟なまま大人になってしまう可能性もあるからです。たとえば、日本語にさらされるという環境要因があるからこそ、子ども達は言葉を理解し話すようになります。逆に、長い間監禁され言葉を聞かされなかった子どもの言語的知性が未発達のままだったという例もあります。

AS_49266053「適切な環境」は他の知性においても大切です。適切な環境要因で言語的知性が発達するのと同様、身体運動的知性を伸ばすには自由に運動できる環境、つまり遊びが大切です。遊びの原点は好奇心から生まれます。好奇心を伸ばしてあげることが「夢や目標に向かって努力する」ことに繋がります。

では好奇心を伸ばすのは、どうしたら良いでしょう?ずばり「自ら自分の得意で好きな事を見つけ集中すること」これしかありません。

あとは大人が
・好奇心を削ぐような言動・教育を極力避けること
・好奇心を発揮できる環境を用意してあげること
・親の押し付けではなく子どもの好奇心を引き出すこと
を心がけましょう。