教育はEducationから作られた和訳語です。Educationの語源はラテン語の「エデュカーレ(引き出す)」です。教育の本来の意味は「子供が持っている才能や資質を引き出す」という意味だったようです。ただし、才能を引き出すためには、子どもの側に「学ぶlearning」という姿勢が必要になります。子どもの側に意欲(自発性)がなければ、せっかく才能があっても引き出せないでしょう。
「子どもを伸ばす六つの大切なこと」ロジャーシャンク著に、頭が良い子が持つ六つの特性というのが上げられています。
1. 言語能力
2. 独創性
3. 分析能力
4. 忍耐力
5. 大志
6. 好奇心
この特性を学校教育だけで身に付けることは困難です。これらを習得するには自己客観化と自己相対化の力が不可欠です。そこでスポーツの出番となります。この六つの特性は「スポーツマンに必要な能力」と多くが類似しています。この特性なくして一流のスポーツ選手になることは出来ません。運動神経や運動能力が秀でているだけでは一流にはなれないです。
言語能力がなければコミュニケーションが取れずチームの構築はできません。独創性がなければ個性的なプレーヤーになれません。分析能力がなければ問題点と課題が見つけられません。忍耐力がなければすぐに諦めてしまい粘り強く最後まで戦えません大志がなければ、大きな目標に向かって精進できません。好奇心がなければ心も身体も成長しません。ということです。
スポーツでは身体活動を通じて、自己認識と他者との関わり方を学びます。そこには学ぶ者の「当事者としての意識」「志の習熟」が必要とされます。なぜなら、「六つの特性」は他人に言われたり、教わったりして身につくものではないからです。つまり自発的に物事に関わっていく中で形成されるものなので、自分の判断で行なうことが求められるのです。
自分で判断するということは、自分を持つことにつながります。自分を持つということは、自分の意見をはっきり言えるということです。子どもに自分の意見を持たせることで、自分で考えることができるようになります。意見を求めることで子どもは自立し、さらに褒めることによって自信も与えられますね。