伊藤徳久先生

伊藤徳久先生

内閣総理大臣認可・公益社団法人日本幼年教育会 副理事長
一般社団法人幼児運動研究協議会 理事
千葉市青少年育成委員
全日本私立幼稚園連合会 政策委員
全千葉県私立幼稚園連合会 副会長
千葉市預かり保育実施協力園協議会会長
認定子ども園の認定基準検討委員会委員 等歴任

九重学園・九重幼稚園バルシューレ写真1

バルシューレスタッフ(以下BS):先生は感じている現代の幼児の身体能力発の主な課題は何でしょうか?

伊藤先生:現代において幼稚園児の発達には様々な課題があります。小学校での体力テストの結果が昔に比べて著しく落ちているということは実態を物語っています。治安の問題、共働き家族の増加、スマートフォン・タブレットなどのデバイス普及は社会背景にあり、外遊び・ボール遊び・子供同士の遊びは減っていきます。その結果、遊びの量(特に外遊び)が不十分で、遊びの質も落ちています。ボール遊びを指導している先生の経験も以前に比べたら浅くなり、バルシューレのボール遊びメソッドはとても時代にマッチしています。

BS:幼稚園のカリキュラムにも課題があるのでしょうか?

伊藤先生:当然、学校教育である幼稚園時が集団生活をおくっているので、皆で遊ぶことは多いですが、そのなかでもボール遊びの時間が特に減ってきました。一人遊びを好む子どもも増えており、幼児のコミュニケーション能力が低下しています。子供同士でゲームのルールを決めたり、勝つための戦略を立てたりすることは成長に必要ですが、その機会が減っていることを危惧し、バルシューレに注目しました。ボール遊びは仲間でやるのは前提で、黙ってやる子どもたちはいません。協力し合って、声掛けし合って、運動とコミュニケーション能力を遊びながら高めていく、とても効果的なシステムだと思います。

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BS:バルシューレメソッドとの出会いは?

伊藤先生:千葉ロッテマリーンズの関係者からバルシューレを日本で展開している幼児運動研究協議会の事務局長を務めている福士唯男先生が紹介されたのは最初のきっかけでした。ドイツで展開され、運動能力発達についての科学的な根拠がとれているということがとても魅力的なポイントです。日本でも昔からボール遊びがありましたが、体系化されていなく、科学的なエビデンスもなかったです。その意味でバルシューレはとても優れているシステムです。

BS:バルシューレプログラムを導入するにあたって、どんな将来展望、想いがありますか?

伊藤先生:基本的にはバルシューレを通して子供の身体・コミュニケーション能力を伸ばしたいです。それに、6歳の幼稚園だけではなく、幼稚園の課外教室としてもバルシューレを展開し、小学生にも来て頂きたいです。というのは、私自身が千葉市立末広中学校のPTA会長と同校青少年育成委員会の副会長を務めていますので、中学校での本格的な部活活動が始まるまでに子ども一人ひとりの特徴を見極めて、その子に合った部活動につなげていきたいと思います。幼稚園・小学校・中学校での運動活動がつながっていくような環境を整えるのは夢です。トップアスリート、オリンピック選手の育成に結び付くかと思います。あと、2020年オリンピックも大きな夢をもたらします。オリンピックはゴールというより、次世代育成のためのスタートだと思います。オリンピックでついた勢いが続ければ、子供の身体能力教育・教育全体にとてもいい影響があります。九重幼稚園の設立理事、1964年オリンピック東京大会式典課長を務めた私の大叔父である松戸節三先生から受け継いだ考え方です。

BS:伊藤先生はその他に何かご意見、コメントがありましたら、お願いしたいです。

伊藤先生:バルシューレのもう一つのとてもいいポイントは、親の関心の高さです。子どもたちが家に帰ってから保護者にバルシューレのことをよく話しているようで、親子でのバルシューレ体験の希望があり、父の日参観日で開催しました。さらに、今年の幼稚園の運動会のプログラムにもバルシューレを導入したいと思います。